「カクレカラクリ」
2010/07/09 19:00
カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep (MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ) (2009/08/21) 森博嗣 商品詳細を見る |
廃墟マニアの大学生郡司朋成と栗城洋輔は、同級生の真知花梨の故郷鈴鳴村を訪れる。
廃墟となった工場跡を見学する彼らは、この村に伝わる不思議な伝説を耳にする。
天才絡繰り師によって、120年後に作動するよう仕掛けられ、村のどこかに隠された
隠れ絡繰りのことを・・。
120年という時を経て、どういう仕掛けで絡繰りが動き出すのか・・。
120年前の絡繰り師に思いを馳せ、思考し推理する工学青年たち。
彼らとともにわくわくしながらの謎解きでした。
ラストの壮大な仕掛けには感動~。
「困ったときには、丸くて四角くて三角のものを作れ。」
面白い!!とは思うものの空間図形に弱い私の頭ではちょっと想像しづらい・・。(;-;)
ドラマ化前提で書かれた小説なので(万人向け・・)
爽やかで口当たりの良い冒険&青春ものといった感じで
マニアックな森博嗣ファンとしては
ちょっと物足りなかったです・・。
『成長も上達も発展も、それが上がり調子の時にエネルギーが供給されるのではない。
それ以前の段階に、成長せず上達もせず発展もしなかった低迷期があって、
そのときの努力の蓄積が原動力になっているのだ。』
これは本文ではなく、各章の扉に書かれている文章の一つだけど、
ここの言葉で本編以上に感動してしまった~。
何処へも進まない、進めない「低迷期」。
悩んで、苦しんで悶々としてるだけのような時間も無駄ではなく、
その時に前に進むためのエネルギーが蓄えられていってるんですね。
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