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08 | 2008/09 | 10
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絵本や小説や本のまわりのこと・・あれこれ語ってます。お茶でも飲みながらゆっくりご覧下さいませ。
「ダウン・ツ・ヘブン」
このシリーズを読み始めてから、よく空を眺めるようになりました。

僕は空で死ぬことを望んでいるのだ。
今 それに気がついた。
雲の上にある天国へ、墜ちていけば良い。簡単だ。


地上にいる私たちには天国は上という感覚だけど、雲の上で闘ってる彼らには下なのですね。
墜ちることで天国にいける・・。Down To Heaven.

今回は子どもと大人、自由と社会、生と死そんな対極にあるものたちのことを考えさせられます。

クサナギさんは大人や組織の広報活動、政治戦略に巻き込まれていきます。
しかし、それに違和感を覚えながらも自分を抑え、笑顔を浮かべ「人間としての嗜み」と彼女がよぶところの術で対応していきます。

楽しいことはずっと続く・・ずっといまのままでいたい。
そう思うのは子ども。
大人はどこかでケリをつけて楽しいことから抜けないといけないんです。
いつまでも飛行機に乗っていられるわけじゃない。
彼女は自分にそう言い聞かせて、ケリをつけようとしているのでしょうか。
醜い大人たちを憎む一方、甲斐や笹倉、ティーチャーのような大人に憧れ、近づこうと望んでいるのでしょうか。

答えはまだ先にあるのでしょう。

「スカイ・クロラ」で主人公だったカンナミ・ユーヒチが出てきます。
パイロットになる前の彼。

真っ黒な澄んだ瞳。
その中に空がある。
墜ちていけるような


クサナギさんとカンナミの出会いは「手」と「瞳」に象徴されてます。
もう一度「スカイ・クロラ」を読み直したくなります。

ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)
(2006/11)
森 博嗣

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【2008/09/04 14:33】 | 森博嗣 | トラックバック(0) | コメント(1)
「ナ・バ・テア」再読
「スカイ・クロラ」の続きで読むと同化しにくいクサナギさんだったけど、「ナ・バ・テア」単体で再読すると、徐々に彼女の心に染まってきて、切なくなってきました。

戦闘機のパイロットとしての刹那的な生き様が・・。

「自分を含めて周囲のものすべてが粘土で作られたおもちゃみたいに、どうでも良いものだって感じてしまう。
そう思うことが気楽で、そして楽しいとさえ思う。
そう思うことで、なんとか生きていける、とも思える。」


彼女のこの言葉で目頭をやられてしまいました。泣き顔
地上を飛び立ったら最後、生きて戻ってこれる保障などない彼らパイロット。
「これで最後」といつも胸にして離陸していく。

それが「スカイ・クロラ」を読んだ時点では、なんだかみんな希薄で、投げやりという印象しか受けないんです。
生きることに何の執着も持っていないから・・。
だからクサナギさんも嫌いだった。一番嫌いだった。

この小説は余計な説明がない分、読み進めながら登場人物たちの心の奥や状況を理解していけるようになってます。

だから、「スカイ・クロラ」だけではわけわからないんだけど・・挫折しないで先に進むべきなんです。


今3作目「ダウン・ツ・ヘブン」を読んでます。
「スカイ・クロラ」の主人公カンナミとクサナギさんの出会いが描かれています。

時系列は逆だけど、やっぱり「スカイ・クロラ」から読むべきです。
数年後の2人を知ったうえで、その出会い場面を読むのはまたなんともそこはかとなくせつない・・。

森博嗣のマジックです。
ナ・バ・テア (中公文庫)ナ・バ・テア (中公文庫)
(2005/11)
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【2008/09/01 14:45】 | 森博嗣 | トラックバック(0) | コメント(2)
「鹿男あをによし」
マキメ作品2作目!
舞台は奈良。奈良は子どもの頃からよく行ってたのですっかり頭に入ってます。
この方は本当にその土地が持つ魅力を引き出して描くのがお上手です!

奈良公園で鹿が話しかけてくるとか・・ありそうな気がするから怖い・・。
なんか奈良の鹿って意思を持ってそうで・・。おっさん声で話しかけてきても違和感ないかも!?

学園モノかと思って読み始めたら、鹿が話しかけてきて、1800年前から続く60年ごとに行われる‘鎮め’の儀式とか、運び番やら使い番やら。あげくに主人公が徐々に鹿化していく!?
ずるずるとマキメワールドに引きずり込まれてゆきます。

奈良の歴史や神話なんかを重くならない程度に絡めてるのもいいペーストとなってます。

そしてラストはいつもほっこり幸せな気分にしてくれます。
鹿男あをによし鹿男あをによし
(2007/04)
万城目 学

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【2008/08/21 08:04】 | 万城目学 | トラックバック(0) | コメント(0)
「ナ・バ・テア」
「スカイクロラ」シリーズの2作目です。

「スカイクロラ」よりも以前の話がここから始まります。
そう、「スカイクロラ」はこのシリーズの中の時系列では一番最後。
だから「スカイクロラ」ではよく分からなかったことが徐々に明らかになっていくという、視界が開けていくような面白さがあります。

主人公は草薙水素。

でも私はクサナギさんが好きではないので、ちょっとしんどかったです。

愛し、愛されるためでなく飛ぶためだけに生まれてきた。
他人には興味を持てない。
だからたった一人になれる飛行機の中、空、雲の上だけが彼女が安らぐ場所。
彼女が笑える場所。
思春期特有の鋭くてもろい壊れそうな心を抱えてる・・。
そんな彼女の心を理解して、同化しようと努力しながら読みましたよ。
ナ・バ・テア (中公文庫)ナ・バ・テア (中公文庫)
(2005/11)
森 博嗣

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でも同化できなくても、なぜだか夢中で読んでしまいます。読まずにはいられない何かがある!?
森さんの力だと思います。

あとがきで吉本ばななさんが書いているように、続きが楽しみ!って思うタイプの小説ではないんです。でも手元にきたら心静かに読み始めたくなるのです。

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【2008/08/16 20:35】 | 森博嗣 | トラックバック(0) | コメント(0)
「スカイクロラ」
一日何もせずどっぷりこの物語の世界に浸っていたいなぁと思わせる小説でした。

完全な平和が実現した世界で、人々が平和を実感するために作り出された<ショーとしての戦争>。
そこで戦うのは、思春期の姿のまま永遠に生き続ける<キルドレ>と呼ばれる子どもたち。
空と地表の間で繰り広げられる終わらない愛と生と死の物語。(映画版予告より)
スカイ・クロラ (中公文庫)スカイ・クロラ (中公文庫)
(2004/10)
森 博嗣

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以上のことを知った上で読み始めた方がいいです。
一切の説明や紹介はありませんから。

むしろ言葉を重ね、説明することで壊れてしまうような世界を描いています。

言葉に無駄がなく簡潔・・だけど芳醇!
詩のように行間を読ませる文章が素敵です。

戦死しない限りは死ぬことのないキルドレ。
永遠に戦争を続け、人を殺すために生きている彼ら。
どこで自分を終わらせるか・・それぞれが考えてる。

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【2008/08/15 11:40】 | 森博嗣 | トラックバック(0) | コメント(0)
「下鴨神社納涼古本まつり」
京都下鴨神社の古本まつりに行ってきました。
30くらいの古書店が下鴨神社参道の糺の森に集まってます。

木に覆われてるので陽を遮ってくれるので、そんなに暑くないです。
20080813151710

行けども行けどもお店が…。
古文書と呼ばれるものから、私たちが子ども時代に見かけた古く懐かしい感じのものから最新のハードカバーや漫画もありました。
とても全部は見切れないです。
でも森の中の本屋さん巡りとても楽しかったです。
古〜い本独特の匂いと蚊取り線香の香りが漂ってます。

20080813151712


赤い毛氈を敷いたベンチが所々にあって、そこで読書したり休憩されている人がいます。
児童書コーナーもあって日替わりで工作などの手作りイベントが行われているので家族連れの姿も多く見られました。
20080813151714


糺の森は東京ドーム3つ分くらいの広さがあるそうです。
この古本屋さんのテントの続くず〜っと奥に下鴨神社の鳥居が見えてました。

先日紹介した森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」の中にこの古本まつりが舞台となっている章があります。
ぜひこの雰囲気を頭に思い描いて読んでみてください。

古本まつりは年に三回くらい開催されているそうです。次は10月です。またまた行ってみよ〜っと
【2008/08/13 15:35】 | 森見登美彦 | トラックバック(0) | コメント(4)
「工学部水柿助教授の日常」
森博嗣さんの文章好きです。言葉に無駄が無くさくさく読み進めていけます。
理屈っぽい感じも好きです。

これは小説というよりエッセイ風。
水柿助教授という森さんに限りなく似ている方の日常を綴ったもの。
脱線あり、駄洒落あり、突っ込みありの水柿君の頭の中。
水柿君というフィルターを通して見た日常は言うまでも無く一味違ってます。
大学の先生ってこういうお仕事なのか〜とかこういう気質の方なのか〜ってとこでも興味深く読めます。
3章の試験に関する裏話?的なお話が面白かったな。

工学部・水柿助教授の日常工学部・水柿助教授の日常
(2000/12)
森 博嗣

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水柿君は後にミステリー作家となるそうなので、「ミステリーとは」みたいなのもしばしば出てきます。
イコール森氏のミステリー観でもあるわけで、森作品を理解するのにも役立つことと思います。

水柿君曰く
「ミステリーは解決に至る直前までがミステリーの本領であり、山場であり、到達点である。」
あとは落ちるだけ。後退するのみ。そして結末を読んだ暁には
「掃除機を開けて、間違えて吸い込んだ小物を取り出すときのような情けなさが残るだけ。」だそうで、大いに納得しました。

そもそも答えを聞いて「おお、そうか!」と膝を打つようなことは百回に一度。「狐の嫁入り」くらい珍しいことらしいです。
読者の理解力と小説に提示された問題の困難度が微妙なバランスを保った時だけに起きる奇跡なんだそうです。

私も何度も何度もミステリーの結末には期待を裏切られて失望してますからね。
だから最後に味わう虚しさを思うと、ミステリー読むときは「これは大丈夫なのかな〜」ってかなりためらいます。・・で結局読まないことが多いです。

そうなのか!胸のすくような解決遍というのは奇跡なのか〜って納得してみると、これから躊躇せずミステリーを読んでみる勇気が沸いてきましたよ。
お粗末なオチに怒って「ミステリーなんて二度と読むかっ」って本を投げ捨てることを99回経験してみるのもいいかもしれません。

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【2008/08/06 14:30】 | 森博嗣 | トラックバック(0) | コメント(0)
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